雅の気持ちに気づいた夏生がどうしていいか分からないまま、気まずい空気を残して家に帰ると、隣人の桑名が受け取った荷物が届いていた。
ルイからのクリスマスプレゼントは、彼のことを思った本に関するグッズだった。
一方、アメリカに届いた夏生からのクルスマスプレゼントには、不吉な偶然が起きていた。
その偶然のせいか、ルイと同期のトキヤはふとしたことで一気に物理的な距離が近づき、彼女の心も確かに揺れ動いていた。
その間雅は、訳の分からないタイミングでの不意打ちのキスを後悔しまくり、破れかぶれでビッチを頼り、今後夏生とどう接すればいいか、的確なアドバイスをもらっていた。

夏生も陽菜に甲斐甲斐しく気を使われていたが、いよいよ覚悟を決めて編集の蔦屋と久しぶりに会った。
もちろん蔦屋は不義理を謝って頭を下げ、会社を辞めて独立するとまで言い出すが、夏生は慌てて止め、自分にそこまでされる価値がなくなったことを打ち明けた。
後日、一人で悩みを抱え続けた夏生が誰もいない部室で用を済ませてボーっとしていると、偶然に雅もやってきたが、彼女は思わずアドバイスを忘れてあのキスに恋愛的感情はないとごまかし、彼をホッとさせた。
逆に、小説が書けなくなったからサークルを辞めると夏生に打ち明けられ、驚かされるのだった。

治るかも分からないスランプに陥っていた夏生は何か書き出してもすぐにイメージが消えていき、まるで筆が進まなくなっていた。
しかし、そんなことを言われて「分かったさようなら」と言えるはずもない雅は、小説を書けなくてもあなたの価値は変わらないと涙ながらに励まし、夏生の中で大きな存在になっていく。
桃源にも打ち明け、励ましともアドバイスともつかないぶっきらぼうな言葉をもらい、まだ知らせていない陽菜とも両親がいるリビングのこたつ布団の中でイチャつき、足先で股間を踏みつけられてショック療法。

そんな日々が過ぎ、ついに華の授賞式の日がやって来た。
夏生は相変わらず塞ぎ込んではいたが、小説で華々しく活躍している人たちが集まる場にいると、逆に刺激を受けられた。
華が受賞の挨拶をしてしばらく、審査員の桃源が夏生絡みの受賞者だということで珍しく顔を出してきた。
そして受賞者の本名が榊華だと分かるや否や、唐突に抱きしめたのだった。

ハッと我に返った桃源は適当にごまかし、そそくさと帰った。
翌日、明らかに様子がおかしかった桃源を訪ねた夏生は相変わらず不摂生な師匠と怒り交じりのやり取りを交えて空気を解してから、華について追及した。
観念した桃源は穏やかでも寂しげに、華は血の繋がった実の娘だと白状した。

若い頃には妻子がいたという桃源の過去は、一生自分自身を責め続けるのに十分な、重く辛い内容だった。
あの授賞式で、桃源は初めて娘の顔を見たのだった。
夏生は華に真実を伝えられないまま、また桃源を訪ねた。
そして、自暴自棄になっている桃源が倒れているのを発見した。
救急車で運ばれている最中に目を覚ました桃源はそれでも自分の健康など顧みず、癌の疑いがあると診察されても根治するつもりはなく、手術も受けないと言い切った。
ここで死ぬならそれも良し、華にも父親だと打ち明けるつもりはないという。
放っておけなくなった夏生は内容を明かさずも真剣な雰囲気のメッセージを華に送り、もしかして愛の告白かもと罪な期待を抱かせた。

だが実際に会ってみればいきなり桃源が実の父親だと言われ、違う意味で驚くしかなかった。
夏生は一人深刻な感じで訥々と語り、娘として会って欲しいなんて言うが、華にしてみればただ言葉を理解することだけでいっぱいいっぱい。
母から聞かされていた父という男は、それはそれは酷い男で、会ったこともない兄が死んだのは父のせいだと教えられていたのだ。
返事を保留したまま帰った華は、お風呂でリラックスしながら、物心ついた頃から母が父に関してどんな反応をしてきたのか思い出し、ゆっくり考えた。

そして大事に保管してある桃源作品の作者の言葉を改めて読み返し、決意した。
そんな親子の複雑で重い話に顔を突っ込んだ夏生に、思いもよらぬ悲しい別れが待っていた。
離れていても心の拠り所のはずだったルイ。
だからルイに弱みを見せたくなくて、雅を頼ってしまうジレンマ。
その優しさと弱さ、ルイの嫉妬と不安も重なり、彼女から別れを切り出したのだった。

感想
ドメスティックな彼女22巻でした。
面白度☆7 ズケズケ度☆8
お世話になっている師匠と先輩のことですから、何とかしてあげたい気持ちは分かりますが、そのアグレッシブさをルイにも発揮してあげれば良かったのにと思います。
とは言え、陽菜とイチャつくところが見たいものの、それはゲス過ぎると思わずにいられない。
特装版は袋とじverのアニメ付、エロイラストも入っています。



































