2話
甲斐は急かされて力任せにシャッターを開けようとするが、当然鍵がかけられていてどうすることもできなかった。
それに睦美は、着いたばかりでこの島について地理も分からない状況を心配した。
するといつまでも逆恨みしている青山が、桃崎も見捨てるつもりなのかと絡んだ。
ならばと、真実は自分とキャプテンを見捨てたくせにと刺すが、先生に依存していてまともな精神状態ではない青山には全く響かず、一触即発の雰囲気に包まれた。

仲間内でのいざこざを一番やっている場合じゃないのを見て取った千歳は手を叩いて注目を集め、海水浴場のシャワーで一度さっぱりしようと提案した。
睦美も汗の臭いを消しておいて損はないと納得すると、誰も異を唱えず動き出した。
千歳の機転で険悪な空気が変わったおかげで、彼女たちは久しぶりに熱いお湯を浴びられて生き返るようだった。

汗を流して身体が綺麗になっていくと、気持ちまでスッキリしていく。
はち切れんばかりに若い身体の隅々まで自分の手で撫で擦り、胸の下も丹念に洗い流す。
睦美はそうしながらも、香りが残り過ぎないようにシャンプー等はしっかり洗い流すよう忠告した。

そうしてさっぱりした睦美はパンツだけ穿いて髪をタオルでまとめただけで、シャワーを浴びずに膝を抱えている青山を気遣って声をかけた。
自分を逆恨みしている相手にも奇特に声をかけた睦美に、青山は黙って立ち上がるといきなりキスをし、いやらしく舌を絡めて囁いた。
睦美に復讐するためか、誰でもいいから相手が欲しいだけか。
虫好きな少女のたわわに育った乳房を揉みしだき、潤んだ瞳で見上げながら舌先で乳首をこねくり回し、どうしようもなく感じさせられる睦美が恍惚の表情を晒すのをからかう。

ピンと勃起した乳首を指先で弾かれた睦美は何もできず、金魚のように口をパクパクさせてされるがまま。
アナルと膣を同時責めされても青山に身体を預けるだけで、抵抗する意思を失っていた。

それがかつてレイプ未遂の目に遭わされたからなのか分からないが、シャワーを浴び終えた千歳がレズ紛いの現場を目撃するや、すぐに青山を突き飛ばした。
ここまで助けられて生きている感謝もせずに、逆恨みの念だけ膨らませている青山は、聞き分けのない小さな子供のようだった。
直後、激しい衝撃音と共に建物が揺れた。
激しい衝撃音が数回連続して建物が揺れると、シャワールームの壁が吹き飛び、穴から角が飛び出した。
更に穴がミシミシとこじ開けられて大きくなると、巨大カブトムシが身体も押し込んできた。

ただ、身体が大きく硬すぎて、全身を入れるにはまだ時間がかかりそうな様子だった。
睦美はその間に、冷静に慌てず脱出しようと声をかけた。
甲斐も無事に合流すると、睦美はすぐに青山を見つけなければ危険だと言った。
シャワールームに突っ込んできたのは光に誘われたからなのは間違いないが、そもそも高タンパク質やアミノ酸を好んで摂取するカブトムシの性質上、人間は是非とも食べたい食材だった。

とは言え、視力が著しく低く、ほとんど目が見えていないことから、静かに音を立てずに行動すれば襲われるリスクは相当低い。
彼女たちは服と荷物だけ持って静かに素早く、その場から離れた。
一早く外に逃げ出していた青山は、誰もいない町の中を歩いていた。
のんきにシャワーを浴びていた睦美たちをブツブツ貶しながらも、なぜ睦美に縋り付いて慰められようとしたのか分からず戸惑っていた。
そもそも睦美はいわゆるスクールカースト最下層でイジメられる立場だった。
だから、睦美がびしょ濡れにされてトボトボ歩いているところとすれ違っても、心配して声をかけるような間柄でもなく、その頃から見下していた。

更に今は愛しい先生が死んだ責任を押し付け、憎しみを抱いている。
なのに、裸の睦美に欲情してしまったのか、安心を求めてしまった。
そしてまた一人で歩いていると、自然と睦美に包まれている妄想をしていた。

直後、ギチギチという大きな音が聞こえ始めた。
前方から現れたカブトムシに悲鳴を上げた青山は、のろまそうな動きを見て取り、横をすり抜けようとするも、カブトムシは瞬時に音を察知して進路を塞いでくる。
仕方なく後ろに逃げようとしたが、いつの間にか後ろにも一匹、横の路地からも現れ、逃げ場をなくした青山は恐怖で失禁してしまう。

死を目前にして睦美の言うことは全て正しかったと認めかけるが、それでもやはり愛しの先生たちに助けを求めた。
睦美たちは青山が追い詰められているのを見つけたが、カブトムシの厚い装甲相手に銃を撃てば跳弾して危険が増す可能性が高い。
そこで睦美は捨てられている釣り竿をゴミ箱から取り出し、それで戦うと言い出した。



































