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140話

駐車場はどんどん混乱が広がっていた。

 

精鋭部隊が撃った流れ弾で犠牲者が出たという情報は瞬く間に広がり、事故が殺したに変わり、精鋭部隊に頭のおかしい奴がいると曲解され、駐車場からの脱出を願う者が現れ始めた。

 

そんな時でも構わず、新たな保菌者が誕生し、パニックと不安に陥っている精鋭部隊が呼ばれてしまう。

 

目の前に恐ろしい保菌者がいても、人殺しになりたくない隊員は手が震え、引き金を引こうにも引けず、射線上にいる避難者は次の犠牲者になるのを恐れて逃げ惑う。

インフェクション
著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット

 

 

文句を言うだけの避難者に容赦なく急かされる隊員がどすることもできずに青ざめていったその時、空から落ちてきた矢が全て保菌者に突き刺さった。

 

直後、ホテルのベランダにいた山田から精鋭部隊がつけているイヤホンに指示が届いた。

 

精鋭部隊にホテルロビーに集合し、明石から新たな作戦の説明を受けるよう伝え、その間は自分が保菌者を始末すると請け負った。

 

関も関で山田のサポートのためにホテルに備えていた矢を全て運び込んだ。

 

 

山田は、避難者に流れ弾が当たらないよう射線を確保するにしても、5000人もいる中では不可能だろうと思っていたが、関は明石の作戦なら成功すると信じていた。

 

他人の目を恐れ、嫌われるのを避けるために二人だけの世界で生きてきた関と明石は互いに信頼し合っていて、明石が人前で話すのを苦手にしていることを知っていても、関はあえて同行しなかった。

インフェクション
著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット

 

 

それは晴輝を始め、他人が自分たちを傷つける人ばかりじゃなく、自分たちの能力も頼りにされると身を持って知ったからだった。

 

そんな世界を守りたいと思えるようになったからこそ、今こそ二人別れて最善を尽くすときだと感じていた。

 

 

 

そして作戦の説明を受けた隊員たちは、おどおどしている明石に向けて不安マックスの心境を吐き出し始めた。

インフェクション
著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット

 

 

今更になって、所詮ちょっと銃の扱いを教わっただけの素人に過ぎず、信頼も明石たちほどされておらず、万が一流れ弾で誰かを殺してしまう不安で完全に自信をなくしているという。

 

 

もちろん関は、隊員たちを励ましてヤル気を取り戻させるのも明石なら問題なくやれると思っていた。

 

 

そんな全幅の信頼を置かれていた明石は隊員たちの弱音を、ばっさり切り捨てた

インフェクション
著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット

 

 

実行する人間の精神状態がどうであろうと、説明通りに動いてもらえれば必ず成功すると確信していた明石は、自信があろうがなかろうが知らないと厳しく言い放った。

 

パンと手を打たれて動くよう指示された隊員たちは、結局不安な面持ちのまま渋々従い、数字と平仮名一文字が書かれた紙を一枚ずつ持って出て行った。

 

 

しかし、さすがの明石も何のフォローもなく送り出すのは不味いと思い、自分らしい言い回しで言葉をかけることにした。

 

歴史オタクの自分が過去の兵法を取り入れようと考えても使える手が思い浮かばなかったのは、敵が兵士ではなく自然の脅威にも近い言葉が届かない理不尽な暴力だからだという。

 

だから、過去の人たちがそうしてきたかのように、凡人は力を合わせて助け合い、一つの意思で動くしかない、それでいいんだと言い切った。

インフェクション
著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット

 

 

作戦は指示された方向に動くだけだが、言うは簡単そうでも実行するのは相当な統率力が必要になる。

 

ただ凡人は凡人でも自分たちは隔離地域という死地から生き延びた実績があると励まし、明石は隊員たちを送り出した。

 

 

 

駐車場に戻った隊員たちは避難民を一定数のグループに分けた。

 

明石が考えた作戦とは、50人ずつ100チームに分けて保菌者が現れた場所を即座に空け、射線を確保するマスゲームだった。

インフェクション
著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット

 

 

 

さっそくまた一人が倒れて保菌者への変化で苦しみ始めると、そのグループが明石たちに合図を送った。

 

それを山田と関がさっき渡した紙の数字と文字を読み上げてダブル確認し、明石が拡声器で復唱。

 

どこで保菌者が発生したのか避難者に知らされると、隊員たちが自分のチームを誘導して決められた位置に動き直す。

 

すると人混みの中に一本の通りが出来上がり、後は流れ弾を気にせず集中砲火を浴びせるだけだった。

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著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット

 

 

一回目から完璧に混乱なく成功したのを確認した山田は、明石の頭を撫で回して褒め称えた。

 

しかし、涙を滲ませて喜んでいる明石に逆に驚かされた。

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著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット

 

 

それはそれで、人間らしい明石の反応に嬉しくなった山田は、名軍師として胸を張れと言って励ました。

 

すると明石は袖で涙を拭い、今まで見せたことがないだろう心からの笑顔で年上のおっさんを見上げた。

ただ、恋の始まりを予感する雰囲気に関は喜び切れなかった。

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著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット

 

 

 

一方晴輝は、合流した隊員たちに森の中で作戦の説明をし終わったところだった。

 

その内容に真っ先に反対したのが、他ならぬ紗月だった

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著者名:及川徹 引用元:マガジンポケット

 

 

感想

インフェクション138話139話140話でした。

犯人側に関してはチート感があり過ぎて、また未知の情報エネルギーとかで説明されると冷めそうです。

ともかく、蓮華が最も近づいたのならやはり晴輝に近しい人物でしょうから、今のところ行方知れずの母親への疑いが濃厚です。

そして、明石が思いついたナイスなアイデアとは一体?

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