イカれたおっさんの戯言だと思いたいエリックは肩を突き飛ばそうとした。
すると轟はあえて目を閉じて肩を押しとどめて防ぎ、この間合いなら何をどうしようとするのかまさに一心同体のように分かるのだと言い切った。
殴ろうとしても、膝蹴りを出そうとしても、唾を吐きかけられても轟は防ぐか躱すかして、自分の言葉が正しいことを見せつけた。
そしてもう一度、驕り高ぶっているプライドをこき下ろした。

離れるが吉と判断したエリックは素早く動こうとするが、轟は油断せずに肩を掴んで引き戻し、体術のレベルに圧倒的な差があると言い含めた。
そしてまたイラつかせる煽り顔でバカ呼ばわりし、相手の平常心を奪おうとする。
その思惑通り、エリックはあっさり乗せられて頭に血を上らせた。
エリックは怒り任せにポケットに手を入れ、何かを取り出そうとした。
使ってやるとがなるそれが奥の手だと見抜いた轟は、取り出す前に指を一本叩き折り、阻止した。
またしても対応できなかった一打に焦るエリックは、ぶつぶつと囁くように焦りを募らせてくる轟の見透かしてくる言葉に形振り構わず、傍にいる海兵隊に撃てと指示した。

いくら傍に立たれようが、この至近距離ならば一人だけ撃つのは造作もない。
海兵隊がすぐに構えて轟に狙いを定めた直後、今度はくるっと反転して海兵隊側にエリックを動かし盾にした。
またしても体術の圧倒的な実力差で優位を保ち続ける轟は、何が起こるか分からない奥の手はまだ放置し、晴輝の指示通りにエリックの動きを封じることだけに注力するつもりだった。

轟は精鋭部隊に海兵隊と戦わずにただ見張りの役目を果たせと叫んでから、ながみんには保菌者全部と思う存分戦えと鼓舞した。
しかし、ながみんからの返事がない。
しかしいつの間にかやられていたわけではなく、保菌者よりも急に現れた銃火器を持つ海兵隊相手に戦いたくなったようで、目を輝かせていた。

戦闘狂いモードのながみんは、誰の言うことも聞かないバーサク状態。
ここで轟は、晴輝から教えられた言葉を使い、隊長兼彼氏の命令だと叫んだ。
するとながみんは一気に大人しくなり、素直に従ったのだった。
この緊張した状況の中でも、避難者たちはながみんを従わせた魔法の言葉と隊長晴輝の凄さに驚嘆した。
そしてエリックは、忌々しい天宮晴輝の手の平に踊らされている現状の歯噛みし、晴輝の父への憎悪を募らせた。
そして時は経ち、晴輝たちが逃走した保菌者に襲われている現在。
轟はエリックの計画が崩れていっているだろうことを指摘して、焦りを募らせようとしていた。
確かにエリックは相当量の汗をかいて焦ってはいたが、それ以上に汗をかいて疲労を隠せなくなっているのは轟の方だった。
青ざめ、呼吸を乱し、死相さえ指摘されるほどだった。

それは単純に轟の体力が消耗しているからではなかった。
背を向けている駐車場には、夥しい量の血の臭いが立ち込めていた。
避難者たちは切り刻まれ、無残な姿に変えられていたのだ。
感想
インフェクション148話149話でした。
逃走保菌者が予想よりも人間ぽい見た目で逆に気持ち悪いですね。
次回は轟の素晴らしい働きが描かれそうですが、らぎ姉の懸念がながみん死亡のフラグになってないことを祈ります。
https://www.kuroneko0920.com/archives/62157































