96話
四肢の自由を奪われ、ギチギチと引っ張られ始めたミサキ。
特に両足の引っ張りにより股間がはち切れそうになり、未だかつてない痛みに絶叫。

まさかのカヅチ状態に彼は隠れているのも関係なく彼女の名を叫ぶが、ミサキは気丈に来るなと叫び返した。
嗜虐的にニンマリと微笑んだガリアは、ミサキにさよならを告げてあやとり状の魔法の紐を強く引いた。
轟くミサキの絶叫。
宙を舞いながら血飛沫をあげる片腕。
魔法の紐がくっついたままのガリアの左腕を斬り落としたのは、隙だらけのガリアの背後からちゃっかり忍び寄った彼だった。

四肢が無事なまま拘束から逃れられたミサキが地面に落ちると、ガリアはデスボールで吹き飛ばそうとして手の平に魔力を溜め始める。
すると彼は剣豪よろしく、攻撃パターンは見切ったと叫びながら躊躇いなく突きを繰り出した。
後頭部を思いっきり突き刺されたガリアはおでこから剣が突き出て、あっさり過ぎるほど彼に倒されたのだった。
ガリア破れたりとばかりに、引き抜いた剣で残心をキメた彼。
ルーミはまさかの勝利に笑顔を零すが、ガリアの神髄を知っているモモは青ざめたまま、ここからが本番だと声をかけ、引き締めさせた。

その通り、惨殺死体になったガリアの身体はジュビジュビと溶けだし、アメーバ増殖のように真の姿に変わっていった。
おぞましい変態シーンを目の前で見ることになった彼は、まさかの巨大サンドワームに身体が硬直し、呆気に取られた。
その姿はまさに、片田舎の住人を恐怖に陥れたグラボイズだった。
今度は彼が青ざめる番だった。
カイの真の姿もなかなかに気持ち悪いチート感が漂っていたが、ガリアからのサンドワームはギャップが凄すぎるし、粉砕機みたいな涎だらけの口元は吸い込まれそうに怖かった。

こんなのどうやって倒せばいいかさっぱり分からないが、とにかくヤルしかなかった。
殺されかけたミサキを始め、誰も臆していないガーディアンズは武器を手に彼に並び、きっと眉を釣り上げた。
勇ましい彼女たちを見て彼も思い出した。
諦めた時点で試合終了なことを。
ちょうど5人で収まりが良く、彼は声をあげて自分も一緒に鼓舞した。
直後、鱗に覆われた尻尾が振り下ろされてきたが、彼らは左右に避けてうまく躱すと、モモが先陣を切り、隙だらけの尻尾に槍を突き出した。
しかし、見た目通りに堅い皮膚に刃が通らない。

肉も骨も切れなかったモモは無防備なところをモロに尻尾で吹き飛ばされてしまう。
シンプルな打撃だったおかげで致命傷ではなかったが、自分の攻撃が全く効かなかったせいで戦意喪失したモモは、人生80年を全うしたくて早々に逃げの手を考えた。
その時、ルーミも勇ましく斬りかかると、属性のおかげかスルッと鱗を切り裂いてダメージを与えることに成功。
なんだかんだ実力が確かなルーミの一撃で希望が見えたが、イイ感じに切れ過ぎて肉に食い込み、剣が抜けなくなった。
そうしてモタモタしている間に振り落とされたルーミは尻尾で地面に叩きつけられ、大ダメージを負ってしまうのだった。

おまけに切り裂いた傷口はあっという間に再生され、剣も体内に取り込まれてしまう。
それでもキアは軽やかに頭部まで駆け上がり、開いたままの口の中に手榴弾をぶち込んで爆発させた。
外皮が堅いなら内側からの作戦は見事に成功し、サンドワームの頭部はグロく吹き飛び、噴水のように血が舞い上がった。
それでもまだ致命傷にはならないらしく、サンドワームは逃げようとするキアを捕まえ、圧倒的スピードで再生を開始する。

あっと言う間に綺麗さっぱり再生して元に戻ったサンドワーム。
肉片が飛び散ろうが弱点を攻撃されない限り、無限に再生し続けかねないサンドワーム。
今にも喰われんとするキアを助けるため、彼は剣を振り抜くが、無属性の攻撃では鉄に斬りかかっているようにビクともしない。
キアが喰われそうになったその時、どこにいたのか、少し離れたところでアマネが眼帯に指をかけていた。
カヅチから左目の秘密を聞いた彼は咄嗟に止めろと叫ぶが、アマネはここを死に場所に選び、魔眼の封印を解いたのだった。



































