鼻
神崎とNは、会話を読み取った限り面識はなく、Nが熱狂的なファンの可能性が高いと分かったが、スドー兄は初めて神崎をその目で見て、意外と可愛いことに驚いた。
神崎が追い込まれるのに比例して、レッフェの人気も下降線を辿り、メンバーのヤル気もなくなり、この活動に人生を懸けている子は神崎への憎しみ、そしてネットに蔓延る神崎への呪い話のせいで成功のチャンスもないことに爆発しかけていた。

落ち着きを取り戻した神崎も復帰してからの握手会、もちろん客はゼロで閑古鳥が鳴いていた。
事務所もこのイベントの成果次第で契約解除を突きつけ、体よく厄介払いしようとしていたので、神崎は形振り構わずCDを抱えて外に飛び出し、道行く人にティッシュ配りのように声をかけて営業し始めた。
これももちろん、呪い殺されると信じている人々は彼女自身が殺人鬼であるかのように恐れ、逃げ惑った。

神崎もNを恐れ、望まれた通りに世界一のアイドルになって解放してもらうしか手はないと思っていた。
そのために土下座までして購入を頼み込むと、大ファンだという一人の男が箱ごと下さいと声をかけてきた。
驚きと嬉しさの中、神崎がありがたくCD代金が入った封筒を受け取ろうとしたが、中に入っていたのは拳銃だった。
スドー兄は素早く神崎を捕まえて銃口を突きつけ、Nを誘い出す人質にしたのだ。

電子機器を自在に操れるとは言え、銃を口の中に突っ込まれては勝ちようのない那須は諦め、求めに応じて大型ビジョンに姿を現した。
最初は別の顔の澄ました口調で名乗り出たが、スドー兄が本当に発砲して本気度を見せつけると素で慌て、本来の顔を晒した。

もちろんこれは、全てスドー兄妹が計算づくの作戦。
世界を支配できるN相手でも強気な態度で優位を保ち、大量殺人を犯した理由を訊き出した。
そして特殊な生まれ方をした双生児だから、本来あるはずの感覚がないことを明かしたスドー兄は、神崎に世界一になれるポテンシャルなんてないと言い切り、変わり果てた那須を普通の人と評した。
更に、電人になったNを連行すると宣言した。

実体がなかろうが策を用意していたスドー兄妹。
巧妙に誘い、煽る言葉から作り上げる会話。
大型トラック、一台のパソコン、全世界の生命を人質に取った那須。
そしてスドー兄は、神崎の鼻にナイフをあてがい、本当に削ぎ落した。

夥しく出血し始め、神崎の顔が変わり果てた。
泣き叫び、激昂し、怒り狂うNに対し選択肢を提示するスドー兄。
果たして、武装部隊も超える暴挙に出たスドーの作戦とは…
感想
電人N2巻でした。
面白度☆8 グロ度☆8
胸糞悪い武装部隊でしたが、さすがに不憫な最期でした。
2巻ではN捕獲作戦の結末と、新章の冒頭まで描かれているので、3巻に期待が膨らみ読み応えも十分でした。



































