分裂
その悪魔の如き所業の影響はすぐに出始めた。
光景だけは既視感があるが、石が積まれていないからまだ通っていない場所と思い込んでしまい、隊員は石積みだけを信用して進んでいく。
感が良く聡い清水は違和感を覚えるが、果たして確信があってもどこを進めば正解かなど分かりようもなかった。

気づけば何時間も歩き続けていることに気づき、疲労と現実に打ちひしがれた葉山が泣き言を漏らし始めた。
それをきっかけに、3時間の休憩を取ることになった。

ライトが消され、本当に一寸先も見えない暗闇の中、早くも宮田の寝息を聞き取った早乙女は、もう貴子に会えないかも知れない恐怖と戦い寝ようとするが、誰かが出した物音と腕時計の灯りに目を開かされた。
それは忍びのように動く赤碕で、隊員が奪ったライトを盗み取っているように見え、この空間から出て行ったかと思うとすぐに戻ってきた。
早乙女に見られていたことに赤崎も気づいたが、彼女は鋭く見つめ返すだけで静かに腕時計のライトを消した。

そして3時間の休憩が終わった直後、下柳がライトが無いと騒ぎだした。
当然隊員たちは、真っ先に赤崎を疑った。
すると赤崎はいけしゃあしゃあと自分ではないと否定するので、確かに証拠もないし犯行現場を見ている者もおらず、早乙女も口を噤み、彼女を勢い付かせた。

誰も赤崎の潔白など信じていないが、下柳が自分の責任だと言い募るので、また清水が千葉を宥めすかして犯人探しが詰められることはなかった。
結果、ライトが残り三本になると、清水はそろそろ民間人を切り捨てるタイミングだと千葉を煽った。

目の前で赤崎が嬲り殺しにされるのを避けただけの早乙女は、宮田やシマとも意思を統一し、内閣の二人を除いた5人を別動隊とし、ライトを奪って別れることに決めた。
同時に、千葉と清水もずっと冷静でいる下柳と沼口に自衛官にあるまじき作戦を伝えていた。
どちらが先にどのタイミングで行動を起こすのか。
ひりひりした空気が流れる中、絶好の地形だと判断した早乙女たちが先に動き、清水のポケットのライトを狙って襲いかかった。
さすが自衛官、男3人がかりでも押さえ込むのさえ難しいが、ライトだけはどうにか奪い取って女性陣に投げ渡し、すぐに逃げさせた。
そして見逃してくれなければ大声を出し、猿を呼び寄せると突きつけた。

最早相容れるのは不可能な自衛官と民間人は、平和的に別行動を取る。
その要求を受け入れた千葉はしかし、内閣の一人、叶の足を刺して負傷者に変えて置き去りにしたのだった。
思わぬお荷物を抱えさせられた早乙女たちはそれでも、久しぶりに一息つけた。
しかし、合流した葉山にライトが壊れていると教えられ、自衛官たちにしてやられたことを理解したのだった。
元からイカれている者から心が弱い者の順に壊れていく、極限状態の迷宮洞窟。
高笑いする自衛官と罪悪感に襲われるも何もできない自衛官。
宮田のペンダントライトを頼りにするしかなくなった早乙女たち。
実はこの猿捜索に招待されていない者が起こした新たな犯行。
猿のために生き、猿のために全員を道連れにしようとするガチヤバ。
貴子がとんでもない事実を知った時、早乙女たちは猿の襲撃を受けた…

感想
モンキーピークthe Rock4巻でした。
面白度☆9 崩壊度☆9
赤崎は最初っからずっとヤバいですが、4巻ではちょろっと頼もしさを感じなくもないでした。
宮田が犠牲になりそうな気配を前作からずっと感じていますが、どうにかこうにか生きて陽の光を浴びて欲しいです。



































