これから宮廷魔導士になろうというのに、試験の段階でやりたい放題し始めたグラサン。
辺りを燃やし尽くさん勢いの炎を生成するものだから、ジャバは慌ててやめろと声をかけるが、グラサンは聞く耳持たずに爺の丸焼きを作ろうとする。
そしてジャバが止めても聞かず、グラサンは首を刎ね飛ばされてしまうのだった。

そう、ジャバが止めていたのは躊躇なく人の首を刎ねられる帝国騎士のシュタイゲンだった。
いくら調子乗りの暴れん坊だとしても、白銀級は相当な実力者なのでジャバは叱りつけるが、シュタイゲンは帝国の害にしかならないと言い返すものだから、ジャバも溜息を吐くしかない。
ともあれ帝国、そして帝国の騎士とは血も涙もなく、まるで見えていないようにぶつかられたレッタは代わりに殺意を覚えた。

この一幕を上空から、二本角の美巨乳ちゃんが観察していた。
後日、親子はレストランに移動してご馳走を前にテンションを上げたのは、今日がレッタの誕生日だからだった。
レッタはまだまだ魔導士への道を諦めていないが、父は人生の先輩として、他の安定した職を考えてもいいだろうとアドバイスするも、息子は魔導士に向いてないと自覚しつつも、譲れない理由があった。
それはもちろん、カッコいい父親の背中に憧れているからで、そんな風に言われたらスケベ親父も見守るしかない。

ほっこりした素晴らしいバースデイを過ごし始めたのも束の間、嫌われ者の兵士たちが雪崩れ込んできた。
まさに傍若無人で女将さんを突き飛ばすと、瞬く間にレッタの父のピエトロを取り囲んだ。
そこに進み出たあのシュタイゲンは、反乱分子の疑いがあると突きつけたのだ。
ピエトロは間違いだろうと弁解するが、人をすぐ斬り殺すような組織に言い訳など通じず、問答無用で連れて行かれることになると、それでもピエトロは穏やかに息子を安心させたのだった。

父を見送ったレッタは言われた通り、先にご馳走にかぶりつき始めた。
女将はすぐ間違いで帰されるだろうと励まし、レッタもどうせいかがわしい店にでも入ったんだろうと軽く考えた。
だから父の分は残して待っている内に眠ってしまい、起きた時には先に寝ておきなと女将に諭されるが、さすがに自分と似たように体が強くない父が心配でいてもたってもいられなくなった。

飛び出した勢いで詰所に駆けつけ、番兵に父に会わせてくれと訴えるが、血も涙もない組織の下っ端でも人情の無さは徹底されており、突き飛ばされて終了。
夜更けともあって明日にならないとにっちもさっちもいかないかと思われたその時、ボコボコに拷問されたらしい父ピエトロがフラフラ出てきたのだが、最後にも突き飛ばされて階段を転げ落とされた。
そしてまた偉そうに現れたシュタイゲンは、謝罪の一言も無しに嫌疑は晴れたので連れて帰れと、これでもかと偉そうに告げるのみで、ゴミでも見るように見下ろした。

あまりの仕打ちに一言も出なかったレッタは、感情の渦に飲み込まれてどす黒いオーラが可視化できそうになるほどだった。
しかし今は一発ヤリ返している暇はなく、急いで医者先生の元に父を運び、治療を頼んだ。


































