サイコパス一家の終焉
足と背中に重傷を負っているとは思えない加速力を見せるマッチョサイコパス。
祥子も必死に走るが距離は縮まるばかりで、まるで野生の獣に追いかけられている恐怖を味わい、程なく追いつかれてしまう。
今度こそ殺意をパワーに変えた眉村は容赦なく壁に叩きつけ、人形でも放り投げるように天井にまで投げ飛ばす。
狂気は人間の限界さえ突破させるのか、モンスターとしか思えないパワーと思考回路で祥子の首は不要だと判断すると、母とは違うと至極当然の結論に至りながら、美穂と同じように首絞めにかかった。

直後、暗雲から轟き落ちた雷で停電が起こった。
直後、祥子はすかさず眉村の傷口に指を突き立ててやり、何とか首絞めから解放されるもそれで終わらず、自分と一緒に落ちて砕けた電灯の欠片で片目を潰してやったのだった。

さすがに絶叫した眉村はフラつきながら刺さったガラス片を抜き取った。
ダメージの蓄積と視界の半分を失った狂人は歪に愛した女を見失い、止めを刺そうとしてくる動きに気づくのが遅れた。
祥子は電灯の本体を握りしめると思いっきり殴りつけ、よろめいて柵から落ちそうになったところに追い打ちをかけた。

逆さまに落ちながら電灯を必死に掴んでも、巨体を支え切れるはずもなく、破片を掴みながら一階の床に後頭部で着地したサイコパス一家の生き残り。
首が折れる鈍い音を聞き、勢いで俯せに回り込む様子から目を離さなかった祥子は、やっと終わったと独り言ちた。
狂った思想で殺されかけたのだからこうするしかなかったと自分を慰め、モンスターワールドからやっと抜け出せるのだと思い、安堵が訪れた。
首が折れる音がしたのだから、安堵して気を緩めるのも仕方なかった。
だから眉村がしつこいでは言い表せないほどにしぶとく息があり、まだまだ驚異的なパワーを発揮して足首を掴んでくるのも、掴まれるまで気づけなくても仕方なかった。

背中と足と片目を刺されて首が折れてもまだまだ元気な元隣人は、母に対する狂気の愛を叫びながら馬乗りになってまた首を絞めた。
もう抵抗する力が湧きあがらない祥子は、婚活パーティに行ったことから全てを後悔し、両親への感謝と謝罪を思った。
そうして殺される間際に見たのは、眉村が吐き散らした鮮血だった。

同じく何がどうなって眉村が無残な最期を遂げたのか目撃した美穂は、今度こそやっと悪が消えてくれた光景を祥子と一緒にぼんやり眺めた。
とんでもない事件に巻き込まれながら明るく励ませる美穂と共に、まずは通報したかった祥子だが、屋敷にいる以上、命の危機を脱したわけではなかった。
眉村家ではなくのに狂気の一家に心酔しているのは、むしろ一番イカれていると言えるかもしれない。
そんな男の悪あがき丸焦げにされかけた二人と霧島兄妹。
そして、地下牢には他に生存者がいたのだが、何年もそこにいたように見えるその男は、祥子の呼びかけに応じようとしなかった。
こうして世間を震撼させるこちになるサイコパス一家の闇が白日の下に晒され、祥子は徐々に平穏を取り戻していったのだが、なかなか精神が完全に休まる日は来ないまま、新しい仕事に就いた。
被害者として悪意が蔓延るネットに晒されたせいか、そういう星の下に生まれてしまったのか。
眉村はもういないのに、祥子は新たな恐怖に狙われてしまい…

感想
隣人X4巻でした。
面白度☆8 期待度☆8
間違いなくこれで完結で、ホラーらしい締めになると思っていたので、まさかの引き続きに驚かされました。
果たして似たような恐怖に晒されるのか、別の切り口で来るのか楽しみです。
「隣人X」ネタバレ最新5巻。マッチョサイコが終わったと思えばまた…ガリガリドM変態と凶悪犯信者はクズばかり



































