ベビーカーを押して時間を潰し始めて程なく、麟がぐずり始めた。
これはオムツ交換だと思い、すぐにトイレに入ったが他のイクメンが既に使用中で障害者用個室も空いておらずに焦りだしたその時、子連れの母親がプレイランドと言っているのが聞こえ、そこに希望を見出した。
しかし場所は3階で仕方なくエレベーターに乗り込んだが、泣くわ便の臭いが狭い空間に充満してくるわで、さすがにいたたまれなくなって泣きたくなった。

そしていざプレイランドに着いてみれば、そこは完全に二つの空間に別れていた。
無邪気にはしゃぐ子供たちを取り囲むように、疲れ果てて青ざめたパパたちが下を向いていたのだ。
龍はこの信じがたい光景を、天使と死者のようだと例えた。

そこに自分の未来が見えているようで恐ろしくなったが、まずベビールームに向かうと、タイミング良くほとんどのスペースが空いていた。
一人いた他のママのやり方を真似て、新しいオムツをあらかじめ敷いておいてから汚れたオムツを脱がせてお尻をキレイキレイした。

すると、一仕事終えたような充足感を感じて彼が気を抜いたのを待っていたかのように、麟は腰をくっと上げて体勢を整えた。
その直後、見事な放物線を描いておしっこが放出された。
彼は瞬時に気づいてのけぞり、直撃を避けたのだが、その反り返った背の角度と同じように飛び散るおしっこにさえ親バカなことを思って、黄色い水を目で追い続けた。

美容院に行ってほくほく顔で帰ってきた二人は項垂れている龍を見て何かあったのかと不安になるが、彼はスッと顔を上げて余裕だと笑って見せた。

こうして初めての育児で、息子との忘れられない思い出ができた。
感想
ハレ婚148話と149話でした。
麟之助ですか。古風でありながらも男らしくかっこいい字と響きですね。
今の所、順調と言えば順調な子育てのようで、ママが二人いる利点を活かせている様子。
ちょこちょこ武田が出てきますが、辛い人生を送っているようで同情します。



































