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急に熱いプロポーズを受けた真珠は、自分をボクと呼んで椅子に座り直し、話す体勢に戻ったが、学が感じられない手紙の書き方から、まだアラタが手紙を書いたと信じていないようだった。

 

現物を見ていないアラタは適当に話を逸らすが、真珠はもう自分の死刑が覆らないと思って諦観した悟りの雰囲気さえ漂わせた。

 

かと思えばプロポーズしてくれた初対面の男にさっそく愛情でも芽生えたかのように、貧相な胸元を露わにして誘惑した

夏目アラタの結婚
著者名:乃木坂太郎 引用元:夏目アラタの結婚1巻

 

 

この数分のやり取りで、週刊誌から得られた情報とは違い、真珠は相当頭の回転が速いことが分かった。

 

子供の頃から愚者の仮面を被って生きてきたかも知れない真珠の底知れなさに怯みながらも、アラタは桃ちゃんを例に出して見た目ではなく、手紙から安心感を感じたからこそ、理屈じゃない恋が始まったのだとアピールした。

 

 

本音はとてつもなく目の前の女が怖かった。

 

その歯抜け顔が間近に迫ったら、気合でイエスと答えるしかなかった。

夏目アラタの結婚
著者名:乃木坂太郎 引用元:夏目アラタの結婚1巻

 

 

もちろん出て来れるわけがないと確信していたからだが、真珠はちょっとコンビニに行ってくるくらいの雰囲気で、ここを出ると答えたのだった。

 

 

その後アラタは、手紙の件で真珠にカマをかけられまくっていたことを知った。

 

その矢先、真珠の私選弁護人を名乗る宮前という男が訪ねてきた。

 

 

宮前は真珠に頼まれて結婚相手の様子を見に来たのだが、個人的にも言葉少なな彼女を変えた男に興味を抱いていた。

 

あえて現住所を晒して真珠のもっと知りたい願望を刺激していたアラタ。

 

もちろん結婚などする気は全くなく、それは相手が誰だろうと同じ事で、結婚生活が素晴らしいものだと思わせてくれるペアが周りに全くいなかったせいもあった。

 

そんな本音を秘めつつ、息を吸うように宮前にも嘘を吐き、真珠への想いは本当だと語る。

 

宮前は獄中結婚を取りあえずやってみて、結局離婚を切り出した怖くなったでは困ると熱くなった。

 

なぜなら宮前は、真珠が可憐で可愛そうな女の子のままだと思い込み、涙一つ見せられて深く感情移入していたのだった。

夏目アラタの結婚
著者名:乃木坂太郎 引用元:夏目アラタの結婚1巻

 

 

アラタの中の真珠は、頭の切れる抜け目ない女。

宮前の中の真珠は、環境に歪められた無実の可能性さえある女の子。

 

元々国選だった宮前が私選になっても真珠の弁護についたのは、幼少期に虐待されていた彼女に会ったことがあり、今でも鮮明に覚えているからだった。

夏目アラタの結婚
著者名:乃木坂太郎 引用元:夏目アラタの結婚1巻

 

 

そして真珠も、お人好しな弁護人に再会できたことを思うと、自分の幸運にニヤけていた。

 

 

 

アラタは最後に、次の面会には宮前に同行して欲しいと頼み、彼も了承した。

 

スムーズに結婚の話をするためというのはもちろん建前で、真珠の本性を分からせて味方につけたいからだった。

 

 

 

そして後日、二人で面会に行ってみると、真珠は宮前がいるのも構わずキャピキャピとはしゃぎ、記入済みの婚姻届を催促してきた。

 

性急過ぎる展開にアラタがしどろもどろでごまかすと、真珠はさらっとスルーせず、なぜ書いてこないのかと詰め寄った。

夏目アラタの結婚
著者名:乃木坂太郎 引用元:夏目アラタの結婚1巻

 

 

アラタは尤もらしい理由を並べ立てて祝福の上に結婚したいとごまかすが、逆にそれで家族構成を訊かれる流れを作ってしまった。

 

ごまかし続けるのを許そうとしない真珠を逃がさないため、身内の名前をゲロるしかなかった。

 

真珠は意味深にその名前を繰り返してから、ニチャアっと笑んだ

夏目アラタの結婚
著者名:乃木坂太郎 引用元:夏目アラタの結婚1巻

 

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