124話
エルフたちが仁科に恐れおののいてくれたおかげで、彼とルーミは助かった。
その夜、彼は焚火を見つめながら、蜘蛛の子を散らすように逃げたエルフたちは長命が故に、過去に仁科の顔を見たことがあるんだろうと思い、納得した。
そうならばやはり、仁科は泣く子も黙る嫉妬深い神。
彼は仁科の記憶を取り戻すことがとんでもない過ちなのかも知れないと感じるが、それ以上に幼馴染みに何が起こったのか知りたい欲求を優先しようと考えた。
翌朝、パイコーンは朝勃起の如く、昨日の満身創痍など嘘のように雄々しくそり立った。

さすが暴れ馬だが彼は珍しく優しさを見せ、今日は荷物だけ載せて自分たちは歩くことに決めた。
それよりもエルフに服を破られて寝間着一枚っきりになったのが痛いと愚痴ると、ルーミが立ち寄る予定だったはぐれエルフの店で買い物しようと提案してくれた。
ということで出発。
パイコーンの手綱を引いてテクテクテク、夜になったらまた夜営して、時にはモンスターに囲まれてしまうが、頑張って退けてテクテク。
休憩しながらまたルーミと交尾して、十分温存したパイコーンに乗ってラストスパート。

そしてついに、霧立ち込める幻想的な山間部にある、城塞都市アルスレイヤに辿り着いたのだった。
六角形のそり立つ壁に囲まれた街には、その形通り、六人のガーディアンがいるらしい。
この街にいる魔女は人間の脳を嗜好する究極の偏食家だが、彼は深く考えるのを止めておいた。
お尋ね者の一行はまず、予定通りにはぐれエルフの店に向かうも、彼は久しぶりに見た閉店セール商法の色がドギツイ日本語看板だらけの店構えにノスタルジーを感じた。
そして店主はやはり、エロエルフとは違う猫耳の胡散臭いタイプだった。

一目で彼をお尋ね者の人間の男だと見抜くも、世情など知ったこっちゃないらしいはぐれエルフは好きに殺し合えばいいといい笑顔を見せてくれる。
この猫耳エルフはハーフエルフで寿命は千年くらいらしく、エロエルフことハイエルフは更に長命だという。
そのためか、仁科を見ても怯えることはなかった。
しかもこの店は人の脳が好きな魔女サーニャが常連にしているらしく、さっそく魔女が確かにいる情報を仕入れることができた。

寿命が短すぎて貨幣制度が流通していないこの世界、ルーミは物々交換用の火燐石を差し出し、服をもらった。
彼は久しぶりに女装して可愛くなり、ルーミは絶妙なエロさを放つ出で立ちに、仁科はそのままで問題なかった。

この後、国母が意地でも自分を殺そうとする理由に合点がいった彼は、とんでもなく堂々とした侵入経路に驚いた。
感想
パラレルパラダイス122話123話124話でした。
そう言えば初っ端に出て来た店主はエルフでしたか。
如何にも腹黒そうなキャラでしたが、このエルフたちは魔女並に手強そうな感じかと思いきや、神の前では無力みたいですね。
https://www.kuroneko0920.com/archives/70903



































