195話
首だけなのに喋って殺してと懇願する、おぞましい生首陳列の光景。
助けてと望む意味は、もう殺してと同義だと察するに余りあった。

仁科が指示した首を入れる篭に間違いないだろうが、最悪にも篭の余りはなく、聖母用に誰か一人を取り出さなければならないが、また間違いなくその一人は死を迎えるはず。
背に腹は代えられずに彼は一人でいいから名乗り出てくれと求めると、囚われの彼女たちはおそらく全員が出して欲しいと懇願し、地獄からの解放を望んだ。
こんなの決められるはずが無くなったその時、勝手なことをするなと忠告しながらフェミニンな格好をしたカワイ子ちゃんが現れたのだが、ここの管理者ならもう脳みそ好きの魔女しかいない。

その予想通り、彼らの脳みそも食う気満々で笑みを零すも、彼がサーニャという名前を口にすると、カワイ子ちゃんは自分の名前を知っていることに驚いた。
彼らが知っている脳みそ好きサーニャは皺くちゃババアだが、目の前のサーニャはツルツルお肌の美少女。
サーニャはババアだと指摘された若いサーニャは憤慨したらしく、なぜかパンツを脱いで股間を丸出しにすると、尻を向けるなりスパイダーマンみたいに糸を放出し、彼をくるくる巻きに拘束。

とんでもない攻撃を仕掛けてくる相手なのに、ルーミとリーメアリーは抜刀した剣を納め、穏やかな顔で指摘した。
その額の文字が何よりの証拠、ゴーレムだと。
ゴーレムはサーニャだと言い張るが、リーメアリーは非情にも理詰めで論破し、ゴーレムにここにいる理由を思い出させた。
何百年か千年を超えたか、まだ可愛かった頃のサーニャに作られたゴーレムは侵入者から首コレクションを守るように指示され、愚直に言いつけを守ってきた悲しき作り物だった。
しかしいつまで待ってもサーニャが戻って来ることはなく、あまりの寂しさで作り物にも心が芽生えたのか、ご主人の姿に変化し、自分がサーニャだと思い込んでしまったのだった。

サーニャが許しがたいクズだと思い知った彼はブチ切れ、悲しきゴーレムをアルスレイヤのババアのところに連れて行ってやると言い出した。
ただ目的は篭を手に入れることなので、彼が訊き方を変えてまだ生きてたいかどうかに変えると、今度は誰も声を発さなかった。
それで十分、彼女たちの苦しみを理解した彼はより強く、ババアに責任を取らせてやりたくなった。




































