マチルダ
真珠の証言により、すぐ警察が動いた。
夫婦と子供一人、建てたばかりの我が家で家事をしていた妻は予定にない訪問者を訝しみつつ応対すると、警察手帳を見せつけられて嫌な汗が流れた。
何も知らないこの家の住人が追い出されて程なく、久しぶりに娑婆に出てきた真珠は風を浴びて笑顔を零し、家の中に入ると淡々と子供部屋の床下を指し示すと、トイレ使わせてと言い出すのだった。

床板を引っぺがし、コンクリートをはつり、えっさえっさと土を掘ってみると、そう深くないところから白骨化した人間の足が見つかった。
一家の家が台無しになった瞬間を見届けたアラタは、その流れで宮前に歯茎までヤ二で黄色いと指摘され、真珠が最初から手紙の主とは違うことに気づいていただろうと事を察した。
字の癖、誤字脱字、紙に染みついた匂い。
独房の中で真珠が手紙の匂いまで確認していた変態だとしても、アラタも卓斗の部屋で真っ先に無意識に品川ピエロからの手紙を嗅いだことを思い出し、相手が雌の黒ヒョウなら自分はオスの狼だと感じた。

その時、検察官の桜井というおっさんが訪ねてきた。
この桜井はどうもいけ好かない感じだったが、真珠の捉え方も違っているし、桃ちゃんが密かに面会に行っていたことも明かし、アラタの知るところとなった。

品川真珠は少女の皮を被った怪物か、救いを求めて足掻く被虐待児か。
そして見つかった足の持ち主が、法学部に在籍して司法浪人を3年していた第二の被害者のものだと調べがついた。
その夜、宮前の事務所まで会いに行ったアラタは問答無用で開口一番、桃ちゃんを巻き込んだことを責めながらいきなり鳩尾に一発ぶち込んだ。
アラタは素直に傷害罪を受け入れて警察を呼べと煽るが、あまりの潔さと静かな怒りを思い知った宮前も自分の非も認め、なかったことにした。
殴り合って友情を深める展開にはならなかったが、建設的に話は進み、アラタは足の持ち主の遺族に会うことを求めた結果、遺族と一緒に死刑賛成派の弁護士とも会うことになった。

被害者の父親から、息子の女性関係などを訊き出して真珠の全貌を解き明かしたかったが、哀れで純粋で狡い以外の一面はそう簡単に出てこない。
ただ被害者に共通しているのは、いい年したおっさんが少女のために命を張るレオン系な作品を好んでいることだった。

レオンと言えばマチルダ。
サラサラヘアーの危うい美少女。
首を奪われた被害者は元美容師で、妻より愛した髪があった。
そして第三回公判に、父親の首を取り戻したい遺族の卓斗が足を運んで傍聴席に着いただけでなく、現れた真珠は彼から送られた服を着てきたのだが、それはまさにレオンに出てくるマチルダそのものだった。

ついに遺族をもミステリアスな魅力で虜にし、アラタを差し置いて二人の世界に入った殺人鬼と遺族の少年。
アラタがまさかの嫉妬を覚えている間に、三島正吾と品川環の顔が晒され、科学的に三島正吾と真珠に血縁関係がないと証明された…

感想
夏目アラタの結婚5巻でした。
面白度☆8 虚実度☆7
どこまでが嘘で本当かさっぱり分かりませんが、新築の家に足を埋め込まれるなんて金田一の事件簿みたいな真似された家族がさすがに可哀想ですね。
「夏目アラタの結婚」ネタバレ最新6巻。死にたがりは嘘?本当?法廷を駆ける美少女殺人鬼の頬は柔らかい!


































