44話
怨み骨髄のクローンに凶弾をぶち込まれてしまったカレン。

何十体もクローンを作ったせいで誰がどれだけ生きているのか死んでいるのか把握し切れなかったことでかろうじて生きていた一人を見逃し、自由行動を許してしまったのだ。
カレンも因果応報だと即座に受け止め、激痛の中でも笑顔を見せる。
夥しい出血に土井は怜人を呼ぼうとするが、カレンがそれを止めさせ、まずすべきこと、立つ鳥跡を濁さずを選んだ。
自爆の解除コードを教えられた土井はまず打ち込んで停止させるが、カレンは治療も間に合わないだろうと死期を悟った。
因果応報な目に遭ったからか、もっと前から人類救済に飽きてしまったのか、もう死後のこともどうでも良く天下の極悪人になる覚悟もできていた。

その覚悟にもう助けを呼ぼうとはしない土井は悲しみを押し殺しながら、死にたいようないじめられっ子人生から一転、愛しいゆず先生や美少女同級生たちと結ばせてくれたことに、夢のようだったと感謝した。
もちろんやり方には物申したいこともあるが、社会改善のためだと思えば憎むことなどできはしない。

何より、数々のメイティング相手よりも密な関係性だから、何も知らない他人の正義感に裁かせるのは我慢ならない。
稀代の極悪人にはしないと彼が約束すると、カレンも素直に楽しかったと伝え、一度くらいはメイティングしておけば良かったとまた冗談か本気か分からないトーンで、今までにない柔らかい笑顔を見せた。

それに彼が茶化して返すと、カレンはそれに答え切る前に息を引き取ったのだった。
それから一カ月が経った今、怜人たちはこの島でコールドスリープ状態の美来と滞在し続け、研究を進めていた。
クローンにあてがわれた女性たちは無事に日本に送り届けられ、その中にもCKウイルスに感染した者はいなくて一安心だった。
ただここでの研究は万が一でも島外に拡散させないために、人手が望めない少数精鋭で進めるしかないのだが、ガールズの中の一人、朱音はあの関係を持ったクローンと一緒について行っていた。
美来とクローンを離しておくという意味合いもあってもう一機のスリープ機で運び出されたクローンについて行ったのは、例え愛した怜人じゃなくても情が移ったのかも知れなかった。

寂しい別れでも朱音の心情的に理解してあげたいことであるが、翠はもう一つ、逆にこの島に凄まじい敵だった女が残ったことには納得できていなかった。
とは言え、クロエも生まれから被害者と言え、同情すべき点だらけの女なのだ。
そんなことより話し合うべきは研究のことで、CKウイルスの解析はMKと同様に進められるとしても、薬の開発は絶望的な状況だった。
試薬が作れても対象は美来とクローン怜人の二人しかおらず、臨床試験がままならないのでAIにシミュレーションさせまくるしかないのだが、この島のコンピュータースペックでは100年かかるという、0歳児が死ねる時間が必要だったのだ。

世界最高レベルのAIコンピューターを使えるかどうかが彼らの希望だが、各国によって使用が制限されており、土井の交渉能力に頼むしかない状況だった。
もちろん、他の国は自国優先だろうから、お隣に醤油を借りるみたいにはいかないだろうがそう塞ぎ込んでいても仕方ないので、彼は前向きに特効薬作りに励むだけだった。
自然豊かな島、繁茂する自然に感心していた彼は、泉で正ヒロインのように小鳥と佇んでいるクロエを見つけた。
たくさん傷つき復讐も果たして手を血で染めたクロエは、ここの自然に癒されているようだが、彼は元生物学の学生だったのなら研究を手伝ってくれと頼んでみた。
それをはるか昔のように感じたクロエはおもむろに泉に浸かって、Tシャツ透け乳首を披露しながら別にいいよと了承しつつ、張り付いたシャツを脱ぎ出した。

それは意味のない露出ではなく、出会った頃のように彼を自慢のダイナマイトボディで誘惑する必然のアプローチ。
愛した先生のクローン作りはさすがに叶わないと諦めたからか、新たな生きる意味として我が子を作る相手に彼を選んだのだった。

感想
終末のハーレムアフターワールド43話44話でした。
ついに最終回の気配が漂ってきましたし、カレンがママになったところが見てみたかったのに残念です。
「終末のハーレムアフターワールド」45話46話47話最終回ネタバレ修正前。生きる意味は自分で見つけて新時代へ


































